伊豆半島の西海岸入り口にあるダイビングスポットして人気が高いのがここ平沢です。人気の理由はなんと言っても穏やかなビーチポイントがあることです。駿河湾最奥に位置し、陸に囲まれた地形は365日クローズが無い。台風直撃でも潜れてしまう時化に強いポイントです。
またダイビングエリアとしては新しく、施設が綺麗なのもありがたいです。セッティングエリアや駐車場などのキャパも十分にあり、広々とダイビングできます。他のポイントがクローズした時はサンライズもいつもお世話になっています。
ただ穏やかなだけではなくエントリー、エキジットしやすい砂のビーチに、手すりまでセッティングしてくれてあるので、緊張感が高くなるエントリーから潜降までのストレスを軽減できます。簡単なナビゲーション、なだらかに深くなる地形、ヘッドランドに囲まれた安心感など、精神的にもとても優しい海で、体験ダイビングやオープンウォーター講習、レスキュー講習などには最適なコンディションが整っています。
湾内ではあるがヘッドランドの外側(最大15m)は意外と潮通しが良く魚影が濃い。カマス、タカベ、アジなどの群れにカンパチが付いていることもあり、そんな時はお魚パラダイス。深度調整が可能なので耳抜きが苦手な方や、深場に慣れていない方など、ゲストのレベルに合わせてガイディングすることができます。
東側ビーチ(最大〜23m)は傾斜の緩い砂地でピカチュウやホウセキカサゴなどのレアな生物が見られることもありますが、やや生物に乏しいのでファンダイビングなら断然ボートダイビングがおすすめ。
ヘッドランド内は人口ビーチとなっていて講習には最高のコンディションです。魚は決して多くないものの、伊豆半島ではとても珍しいネズミブンブクというかわいい生物も生息しています。探して見つけられるレベルでネズミブンブクが生息している海は僕の知る限り平沢だけです。
ボートポイントはビーチとは打って変わって丘陵な傾斜を持っています。水面付近から40m近くまで落ち込んでいて、ディープダイビングではカラフルなソフトコーラルとサクラダイ、アカオビハナダイのコラボが美しいです。
水深が深めなのでダイブコンピュータの扱いと、減圧理論に理解があるダイバーが望ましいです。深度を浅めにとれば初心者からでもエントリー可能ですが、せっかくのボートポイントはディープで楽しみたいです。
人間を超えるサイズのナガエダトゲトサカの群生は、僕の知る限り伊豆半島NO1。伊豆半島では、ほぼ見ないオオミナベトサカなどの腔腸類が多いです。
湾内なので河川からの流入が多く透明度が安定しないのが難点ですが、透明度の良い秋から冬のタイミングで狙っていきたいところです。ワイド派のフォトダイバーならライティングや構図を工夫して、何度もトライしたくなるオリジナリティに溢れた海。2灯セッティングのワイドレンズで挑みたいですね。